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ひとかけらのエッセイ vol.39 [「ひとかけらのエッセイ」]

一枚の絵
 
ほんのささいな小さなこと
でも、僕にとってはとても大きなこと
叶えられない思いがある
満たされない思いがある

たわいもない粗末なこと
でも、僕にとってはとても大切なこと
言葉にならない喜びがある
形にならない安らぎがある

何も言わずにすべてを受け止めてくれた
何時間でも最後までつき合ってくれた
真っ白いキャンバス

独りの僕が溶け出していく
やがて奥深き心が色づき蠢き始める
一心不乱に絵筆を走らせる
一心不乱に絵筆を走らせる

そうして一つの世界が浮かび上がる


by コダテタカユキ


※ 最近、友川カズキさんの「ひとりぼっちは絵描きになる」
  という歌をよく聴いています。
  今回の詩は、そこからインスピレーションを受けて綴ったものです。
  美術館で一枚の絵と語り合う度に、涙が出そうになります。
  描き手の苦悩や葛藤やカタルシスが、
  その色使いやタッチから伝わってくるからです。
  頭にではなく、心に、否、存在そのものに響いてくるのです。
  今年の夏頃から、岡本太郎展で、国立西洋美術館で、国宝展で、
  いくつかの素晴らしい一枚の絵と出会うことができました。
  そんな感謝の思いと、今の自身の思いを言霊にして、
  一つの詩へと結晶化させました。

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