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ひとかけらのエッセイ vol.37 [「ひとかけらのエッセイ」]

形の無いもの…
 
形の無いものは、後には残らない。
たとえどんなに魂を注ぎ込んでも…。
たとえどんなに満足いくものになったとしても…。

形の無いものは、後には残らない。
でも、そのために全力を注ぎ込む。
でも、そのために自分をすり減らす。

「どうしてここまで頑張るんだろう?」
「どうしていつまでも走り続けるんだろう?」

重い荷物を背負って、眠れない夜を過ごして、
ため息をつきながら、むなしさを抱えながら。

形の無いものを無事に仕上げた時の言いようのない充実感。
形の無いものをやり遂げた後の真っ白になる透明感。

ただそれを感じたくて…。
ただそれに包まれたくて…。

だから、また今日も顔を上げて一歩踏み出す。
だから、また明日も顔を上げてもう一歩踏み出す。

~ Essay by コダテタカユキ ~


※「形の無いもの」は形が無いからこそ、
対価や見栄えを気にすることなく、
純粋に向き合うことができるような気がします。
でも、それに気づいてはいても、
やっぱり辛いし、疲れるし、弱音を吐きたくもなることもしょっちゅう。
最後は意地というか、つまらないこだわりというか、開き直りというか、
それが自分の生き方だからこそ、
何とかギリギリのところで踏ん張っているかもしれない。
普段は言葉にしないけど、
今日は暑さのせいで言葉を紡いでみたくなりました。

ささやかな真夏の夜の独り言…。


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